知らない場所に、その土地に詳しい人たちと一緒に行けるのは、短時間しかいない自分だけでは知りえないことを知ることが出来るので、とても嬉しい。
北京からこちらに来るときに、パオトウ駅に朝早くに着き、すぐタクシーに乗った程度で、そのときの印象と言えば、特に何もない辺境の町と言った程度だった。
しかし、駅があるのは、旧市街ということで、今回は買い物ということで新市街の方に来た。
一歩市内に入いると余りの違いに驚いた。それほど高くはないが近代的なビルがいくつか並び、人も多い。旅行ガイドブックでは、数ページしかさかれていないような沙漠地帯の街という印象とは余りに違いすぎる。
車を停めて市の中心部と思われるあたりを少し歩くと、ショッピングストリートといった感じの場所に入った。そして少しいったところにデパートが並ぶ一角があり。
その一つのデパートに入ることに。
まずは、入ってすぐ右手にセール品の下着に群がる中国人の女性たちが、
そして、左手には日本と変わらない独特のにおいと目が覚めるように明るい化粧品売り場がある。
その二つを両サイドにして、真正面にエスカレーターがある。
まったく日本のデパートと変わらないつくりに、服装や化粧などは日本の数年前といった感じだけどほぼ日本人と変わらない顔立ちの人々。
少し妙な気持ちになる。
そして、エスカレータを降りて地下へ。
ここも、日本と変わらないお決りの食品売り場を併設したスーパーがある。
しかも平日の昼間とは思えないほど繁盛している。
お惣菜、菓子、日用品、調味料などなど、一通りのものはまったく日本とかわらにほどの品揃えがある。
しかも、デーパートの地下ということで、輸入ものの酒やオリーブオイルなどなど、ちょっとしたものもしっかりとおいてある。
レジに並ぶ人たちのかごの中身を見ても、その買い方が決してお金のない人たちの買い方ではないことがわかる。
自分が想像していた中国の沙漠の地方都市とは余りに違う現実に驚かされる。
中国人のスタッフに聞いてみると、パオトウは220万人が住む街で、石炭と鉄鋼、そしてレアメタルなどが採れる重工業で栄える街らしい。
現在の発展する中国において石油よりも大きな比重をしめるエネルギー源の石炭。そして、ビルの建設にはじまり重工業に於いて大きな役割を果たす鉄鋼。更に、電子機器やセラミックなど先端産業で多く使われる、レアメタルは世界の85%がここから産出されている。
資源の凄さを実感した。
豊かな自然に恵まれているわけでもなく、教養のある洗練された人材にあふれているわけでもないただの中国の地方都市。
沙漠の一角に220万人の人を集めそれなりの物質的に豊かな暮らしができるだけの富をもたらすことが出来るほどの資源。
石油、石炭、鉄、レアメタル、、、これらの資源は、木材や綿などと違い、短い時間で創ることが出来ない。
地球が何億年という時間をかけてつくりあげてきたもので、今埋蔵されている量を使い切ってしまえば、それでお仕舞。
そんなことを想像してみると、どこか地球から奪い取っているような感覚が拭えない。
それに群がる人という種。
さながら砂糖に群がる蟻の大群のよう。
今の中国の場合は、その資源を元に、日本や欧米から学んだ技術で自分たちで製品を生産し、海外に輸出、そして更に、経済的に豊かになった国内13億の人口で消費することが出来る。
中国には、まだ数十年使い続けることが出来るほどの豊富な石炭が埋蔵され、十分な豊かさにたどり着いていない溢れんばかりの人々がいる。
この巨大な生産、消費の勢いは止まりそうにない。
しかし、大きな問題は、このことが地球の自然環境にどのような影響を与え、自分たち人類にどのような影響を与えるだろう?
ボク個人の意見としては、今の中国の現状を見る限り、楽観視できない。